2008/06/14 (Sat) 『ひまわりの祝祭』 藤原 伊織

ひまわりの祝祭ひまわりの祝祭
(1997/06)
藤原 伊織

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高校時代には油絵で新人賞を獲り、売れっ子デザイナーとして成功した秋山秋二。
だが妻を亡くしてから七年、今は無為徒食の日々を送っていた。
ある日、真夜中過ぎに突然訪れたかつての上司村林にカジノへと連れ出される。
秋山には特殊な才能があった。
彼にはカードの数字やサイコロの目、その行方が見えたのだ。
村林の依頼はこうだ。
「500万。バカラで負けてみせてくれ」

死んだ妻にそっくりな麻里、大きな権力を持つらしい老人仁科、次々に現れる人々によって、停滞していた秋山の周りの空気が動き始める。
秋山の妻との思い出とともに封印されていた記憶の中に、ファン・ゴッホの八枚めの「ひまわり」につながるヒントはあるのか。

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2008/04/29 (Tue) 『蚊トンボ白鬚の冒険』を読む 藤原 伊織

蚊トンボ白鬚の冒険蚊トンボ白鬚の冒険
(2002/04)
藤原 伊織

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倉沢達夫は水道職人として働いている。
どこにでもいるありふれた青年・・とは言い切れない。
幼くして母を亡くし、無口だった父親も、高校時代に亡くしている。
どこか暗い眼をした青年だった。
身体的な障害を理由に、陸上を諦めてからは、ただ生きるべくして生きてきた感がある。
人に媚びることなく、ドライで無関心、だけれども、無鉄砲に、まっすぐ。

オヤジ狩りの場面に遭遇した達夫は、被害に遭っているのがアパートの隣人の黒木だと気付き、警察へ通報すべく、その場を離れようとした。
すると右手が自分の意思と関係なく勝手に動き出し、ポケットの入っていたパチンコ玉を弾いた。
玉はナイフを持った少年に命中し、図らずも黒木を助ける結果となった。

わけもわからず、部屋に戻った達夫の頭の中に、突然呑気な声が聞こえた。
声の主は名乗る。
「おいらは蚊トンボの白鬚」
ひょんなことから達夫の頭の中に潜り込むことになった蚊トンボは、自我を持ち、言葉を解し、それどころか自分には宿主である達夫の筋肉を操る力があるとまで言い出す。
シラヒゲには、筋肉を収縮させるために必要なカルシウムイオン濃度を、瞬間的に通常の千倍くらいまであげることが能力が備わっていた。
つまりわずかな間ではあるが、宿主の筋肉を通常の千倍くらいまで強化できる。
まるでスーパーマンのようだが、そのパワーを長時間持続することはできない。

達夫がドライなのは、そのことを何かに利用しようとはしない所だ。
何事もなければ、頭にシラヒゲが住んでいることを、自然と受け入れてしまい兼ねなかった。
しかし、黒木が実はヤクザに追われる身だと知った達夫は、不穏な事態に、徐々に巻き込まれていってしまう。

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