2008/08/17 (Sun) 『スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 』 スティーヴン・キング

スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)
(1988/05)
スティーヴン キング

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4つの短編とひとつの中編。
「霧」
メイン州西部はかつてない激しい嵐に見舞われた。
翌朝、デヴィッドは嵐の爪あとを見回りながら、湖の岸の一部が霧に覆われていることに気づいた。
不自然に真っ白で、定規で引いたような直線をなしている霧。
不安を覚えながらも、妻を家に残し、息子のビリーと停電したスーパーマーケットに買い物に行く。
混雑したレジに並んでいるとそれはやってきた。
太陽を覆いつくし、視界を奪い、禍々しいモノを包含した霧が。
忠告を聞かずに外に出た者は悲鳴だけを残し、消える。
魔女めいた不吉な骨董店の女主人はこの世の終わりを叫ぶ。
行くのか、留まるのか。
人々の間に軋轢が生まれ、極限に達する・・・。

☆追い込まれた人たちが常軌を逸していく様、がもうちょっと書かれているのか
 と思ったらそうでもなかった。
 食料のあるスーパーでの篭城でなかったら、もっと凄まじかっただろうな。
 でもとっても面白かった。
 殺虫剤片手に闘うミセス・レプラーが好き。
 ラストもいいなぁ。映画も見たいなぁ。

「握手しない男」
その夜、ともにポーカーのテーブルを囲むことになった男には奇妙な性癖があった。
絶対に人と握手をしないのだ。
それをさておけば人は悪くない。
ゲームは滞りなく進むのだが・・・。

☆百物語的な語り。いわゆる呪い物。もっと孤独感が描けてれば良かったな。


「ウェディング・ギグ」
シカゴのやくざスコレイの妹の結婚式で演奏をすることになったジャズバンド。
妹はとてつもなく太っていて、さらに醜かった。
式の最中、対立するやくざに脅されてやってきた小男は妹を侮辱するメッセージを伝える。
怒り狂ったスコレイは会場を飛び出し、おめおめと消されてしまう。

☆見方によっては憐れでもあり、滑稽でもある一人の女性の人生
 (それはグロテスクでもある)をバンドマンの男が語る、ただそれだけの話。
 しかし年老いた男がふとにじませる後悔に似た色合いに惹きつけられてしまった。
   

「カインの末裔」
最後のテストを終え、ギャリッシュは寄宿舎に戻る。
道すがら、彼は旧友と言葉を交わしつつ、その死に様を淡々と思い浮かべる。
部屋に戻るとメソジスト派の牧師である父親に買ってもらった銃を取り出し、しばらくのあいだすすり泣く。
ギャリッシュはカインとアベルを引き合いに出し、「世界が神様のイメージで創られた以上、人間は世界を食うか、世界に食われるかだ。」とポスターのハンフリー・ボガードに語りかける。
そして引き金を引く。

☆詳しい背景は語られない。「エレファント」の長い長いショットを思い出した。


「死神」
老成金の運営する記念博物館には有名な職人の手になる鏡台があるという。
しかしその鏡にはいわくがあった。鏡を覗き、そこにあるはずのない物を見てしまった者は・・・。

☆凄惨で不幸な死が訪れる!というオチでないのがオチ。
 これって待ち続ける者への呪いでもあるな。


「ほら、虎がいる」
授業中にトイレに行きたくなったチャールズは無人の洗面所で虎に出くわす。
しかし尿意が収まるはずもなく、逡巡していると、クラスメートのケニーが様子を見に来た。
チャールズの言葉を信じないケニーは洗面所に入っていき・・・。

☆怖いから逃げ出したいのだけれど、おしっこがしたい子供の話。(違うって?

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2008/05/23 (Fri) 『図書館警察―Four Past Midnight〈2〉』 スティーヴン キング

図書館警察―Four Past Midnight〈2〉 (文春文庫)図書館警察―Four Past Midnight〈2〉 (文春文庫)
(1999/08)
スティーヴン キング

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『図書館警察』
不動産業を営むサム・ピープルズは突然ロータリー・クラブの講演の代役を務める羽目になった。
原稿は出来上がったが、臨時秘書のナオミのアドバイスを受け、スピーチにいろどりを添えるための本を図書館に借りに行くことになった。
サムがその町の図書館を利用するのは初めてだったが、彼は総体としての“図書館”に不安感を抱いているような様子があった。
もちろん自覚もなく、理由もない。

逡巡した結果、やっと足を踏み入れた静まり返る図書館に人の姿はない。
児童図書室には子供たちの恐怖心を煽るのを目的としているとしか思えない、不気味なポスター。
おびえる赤ずきんちゃん。
人さらいにさらわれて悲鳴を上げる少年。
そして返却を怠った子供たちを脅す図書館警察。
悪夢を呼び起こしそうなそれらのポスター。
不安に取り付かれそうなサムの後ろに突然現れた女性司書。
一見にこやかだが、彼女の眼は笑っていない。
とにもかくにも2冊の本を借り受け、おかげでスピーチは大成功を収めるのだが・・・・。

サムの子供時代の封印された記憶がネックになる。
ある意味、心の回復の物語とも言えようか。
しかし図書館警察が実在したら、私はとっくにあの世行きだな。

『サン・ドッグ』
ケヴィンは15歳の誕生日に念願の物をプレゼントされる。
サン660―――ポラロイドカメラだ。
嬉々として初めての撮影に挑んだが、そこにはあるはずの室内での家族の笑顔ではなく、まったく別のものが写っていた。
『犬と柵』。
どんなに被写体を変えて撮っても、写るのはその犬なのだ。
何枚も撮り重ねていくうちにあることに気づく。
犬は徐々にこちらを振り向き、その恐ろしい牙を剥き出しにし始めているのだ・・・・。

舞台はおなじみキャッスルロック。
ポップ・メリルが大活躍!(笑)

二作ともなんだか読みづらかった。
いちいちまだるっこしいのよね。

『ニードフル・シングス』のエピローグにサムとナオミの名が出ているのだそうだ。
チェキラ☆

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2008/05/07 (Wed) 『ヘッド・ダウン―ナイトメアズ&ドリームスケープス〈2〉』を読む スティーブン・キング

ヘッド・ダウン―ナイトメアズ&ドリームスケープス〈2〉ヘッド・ダウン―ナイトメアズ&ドリームスケープス〈2〉
(2000/03)
スティーヴン キング

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短編集です。
ゾンビ、地球外生命体、SF、名作へのオマージュなどなど取り合わせております。
一部だけ紹介。

『雨期きたる』
七年に一回、その町には雨期がやってくる。
ある物が空から降って来るのだ。
たまたまその日にその町を訪れた夫婦が襲われる恐怖とは・・・。

みたいな感じ。
因習的な匂いもあって、ベタな内容だけど、好きだ。

『十時の人々』
十時になるとタバコを吸うために、ビルから出てくる人々のことを、ピアスンはひそかに<十時の人々>と名づけていた。
もちろん彼もその一人だ。
タバコを完全にはやめられず、かといってヘビースモーカーでもない。
一日に何本と決めて吸う、いわばタバコとの暫定協定を結んだ人たちのことだ。
ある日、そういう人たちにだけ見える存在があることに、ピアスンは気がついてしまう・・・。

ちょうど物語のプロローグのような展開。
人類が化け物に乗っ取られつつあることを知り、立ち上がるレジスタンス。
そこで話が終わるのだが、ワクワク感が残って、良い。

『クラウチ・エンド』
異界との境界に位置する土地、「クラウチ・エンド」。
恐怖の狭間に落ち込んでしまう旅行者のお話。

『第五の男』
ハードボイルド?
意味分からん。
リチャード・バックマンってこういう話書いてたのか。

『ワトスン博士の事件』
シャーロック・ホームズへのオマージュ。
ワトスン君が謎を解いちゃうのだ。
とはいえ、、、いいのですか、レストレイド警部。

『アムニー最後の事件』
これもオマージュだが、元ネタがわからんので、なんとも言えない。

『ヘッド・ダウン』
これはエッセイ的なものなのだが、この本の中で一番良かった!
キングの息子も参加する、少年野球がリーグを勝ち上がっていくストーリー。
少年たちもだが、コーチたちがいい。
彼らはただ、野球を愛し、少年たちを愛し、そのシーズンを愛しているのだ。
プレーするとき、彼らはみんな愛し合わなければならないんだって。
勝ち負けは問題じゃなくって、一緒にプレーしたこと自体が重要なんだ。

「大切なのは誰が自分のチームメイトか知ることだよ。
 好き嫌いは別にして、自分が頼らざるを得なかった人間はだれかということを」

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