![]() | 堕ちた天使と金色の悪魔 (講談社ノベルス ウF- 16) (2007/09) 浦賀 和宏 商品詳細を見る |
前作の『世界でいちばん醜い子供』と時系列でつながっている。
前作は純菜サイドからの視点だったのが、今回は剛士側から描かれる。
いじめっ子への復讐を果たした『さよなら純菜、そして、不死の怪物』のラストではどうなる事かと思ったが、停学2週間で意外にも復学を果たした剛士。
唯一の友達だった小田渚にも避けられるようになり、剛士に近づくものは誰もいないかに思えた。
そんな彼に物怖じせず近づく生徒がひとりいた。
エル・ビアンノことマリア・マールベルクである。
純菜との仲直りは果たしたものの、どこかぎこちない二人。
剛士の心は純菜とマリアの間で揺れ動く。
剛士のエロ妄想爆発ぶり、優柔不断ぶりは相変わらずだが、彼の中には確固とした思念が宿りつつある。
日本も核武装すべきだとやたら熱く語るのがその表れだ。
いずれ世界を滅ぼす偽王としては当然の思想といえるのだろうか。
純菜の心境にも変化が現れたようだ。
道路の真ん中で立ち往生する子犬に、これまでの彼女なら「八木君 早く助けてあげて!」なんて云いそうだが、今回は車の行き交う車道に歩み出た剛士を気遣うような様子を見せる。
これは何を意味するのだろうか?
剛士の力に陰りが現れる予兆のようでもあり、純菜の彼に対する思いの深さがそうさせているようにも見える。
しかしこいつの根っからのガンダムおたくは牧歌的だ。
南部が携帯を買うのに付き合ったとき。
南部が店員に「青いのはないんですか?」と尋ねると
グフか。
と心でツッコミ。
青がないと知れて「じゃ黒は?」と聞くと
ドムだな。
と一人納得する。
ナイスだ、八木。
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![]() | 世界でいちばん醜い子供 浦賀 和宏 (2007/04/06) 講談社 この商品の詳細を見る |
八木剛士と絶縁状態にあり、悶々としていた松浦純菜のもとに一通の手紙が届けられる。
それは彼女が左腕を失った原因となった事件の張本人からだった。
手紙には謝罪の言葉がしたためられており「会って謝罪したい」とまで云っている。
今頃になってなぜ?
それともこれは誰かのいたずらなのか?
手紙の送り主に会うため、雨男南部君と連れだって、純菜は待ち合わせの場所に出かけるのだった。
前作『さよなら純菜 そして、不死の怪物』が八木剛士のモノローグ(あるいは妄想)によって9割近く占められていたのに対して、今回は松浦純菜のモノローグで構成されている。
いや、単に独白と云ってしまうと語弊があるかもしれない。
スティーブン・キングばりの『自分の中の自分』との対話とはまた違った色合いがあるのだ。
今までカタチとしては明確だったが、その内実については不明だった
純菜の≪力≫が今回読者の前に姿を現すと云っていいだろう。
また八木視点でばかり描かれていたため、ご都合主義に見えていた純菜の優しさの正体も見えてくる。
根暗でいじめられっ子、成績も悪いし運動も出来ない、顔は顔面凶器と
云われるほどの醜さ、髪は極度の縮れ毛、究極の駄目人間。
そんな八木に身を任せようとした純菜の本心とは?
これはシリーズ最大の謎といっても過言ではない(笑
彼女と彼女の持つ≪力≫との対話によって、その謎も解き明かされるだろう。
そんな大したものでもないかw
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