![]() | 失はれる物語 乙一 (2003/12) 角川書店 この商品の詳細を見る |
「Calling You」
同級生の持つ携帯電話に憧れながれつつも
電話を掛ける友達のいない少女
頭の中に想像上の携帯を持つことを慰みに始めた彼女に
ある日電話が掛かってきた
着信音を奏でたのは 彼女の頭の中にしか存在しないはずの
電話だった・・・
その他収録作
「失はれる物語」
「傷」
「手を握る泥棒の物語」
「しあわせは子猫のかたち」
「マリアの指」
【星は?】


あとがきを読んでみると この本は 乙一が以前ライトノベル
として出版した作品を
入れ物だけ変えて作り直したものだと断っている
しかし 今まで彼の作品でライトノベル的でなかった物が
あるのだろうか
苦手な文章である どこかしら幼く 手直ししたくなる
彼の作品は「切ない」と云われるようだが どちらかというと「拙い」
と云いつつ まるっきり嫌いではなかったりする
.ア行の作家 乙 一 | trackback(0) | comment(0) |
![]() | ママの神様 室井 佑月 (2006/03) 講談社 この商品の詳細を見る |
「ママの神様」「僕らの世界は母ちゃんに含まれる」「money」
これら3作は母子家庭を描いている
作者の実生活を髣髴とさせる(実際は違うのかもしれんが)
子供の描写がやはりというべきか リアル
「ママの神様」と「money」は
どちらも 生活の苦しい母子が描かれているが
前者は小さなスナックの経営者
朝が起きれず 幼稚園もしょっちゅう休ませてしまうような母親で
幼稚園の他のママからも嫌われているが
虐待の可能性を 保健所に通報されたのをきっかけに
息子と今後も暮らしていくために 頑張ろうという話
後者は 昼はスーパーのパート 夜は抜きキャバと
かなりハードな生活を送っており あることをきっかけに
頑張れなくなってしまう話
対比してみると面白いかも
「おもろい夫婦」
「チコウ少年と呼ばれて」
どちらも成り行きで犯罪を犯してしまう話
これらはブラックユーモアのつもりなのだろうが 笑えない
ユーモアのセンスがないのだろうか
エッセイも書いているのだから そこらへんは磨きをかけて
欲しいものである
その他収録作
「水槽の中の小さな魚」
「小さなダイヤモンド、ふたつ」
「結婚トイウモノ」
「太陽の見える場所まで」
「透明な花びら、落ちた」
「観音道り」
【星どうぞ】



良くも悪くも室井さんらしい
実体験がないと書けない性質かな?
この人には是非 長編を書いてもらいたいものだ
年増女の本性だとか 切実さや醜さだとかが率直に書かれていて
読んでいてイタイのだ
.マ行の作家 室井佑月 | trackback(0) | comment(0) |
![]() | ニッポンの犯罪12選 爆笑問題 (2005/06) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
日本の有名な犯罪について 爆笑問題の大田光が
お馴染みの毒舌で語る
「石川五右衛門の巻」
ルパン三世でおなじみの大泥棒の代名詞
アニメのイメージと違い なかなかの悪人だったようだ
15の年から酒を呑み 女を騙し 無頼と交わる生粋の不良少年
豊臣秀吉の暗殺を請け負うが失敗し 捕らえられ
「釜茹での刑」に処された
「八百屋お七の巻」
江戸の大火事で寺に避難することになったお七
そこで寺の小姓:庄之助と恋に落ちてしまう
焼け落ちた家の建て直しが済み 別れることになった二人だが
どうしても庄之助を忘れられないお七は もう一度逢いたいがために
放火をしてしまう
浄瑠璃や歌舞伎で演じられるのとは違って 実際には
小火程度で済んだが お七は火炙りの刑に処される
現代に生きる者から見たら 放火するほどの事か!?と思わんでもない
当時 和尚と小姓といえば それなりの関係だったそうだ
それもまた 二人の恋を阻む障害だったのだろうか
「3億円事件の巻」
いまだに特番で扱われることもある実に象徴的な事件
白バイ警官に扮した男に
「この現金輸送車に爆弾が仕掛けられたらしい」と云われ
信じ込んだ行員はあっけなく輸送車を奪われる
行員は輸送車が去ったあと 支店長代理に電話を掛けるのだが
その時点でもまだ 自分たちが騙されたということに気付いていなかったそうだ
この事件では犯人と目されていた人物がいた
現職白バイ警官の19歳の息子
札付きの不良で 捜査の目が向いていたのだが
事件発生から5日後 青酸化合物を飲んで自殺(母親による他殺という説もある)
その後 少年はシロだったらしい ということになるのだが
なぜか警察は 少年犯人説を捨てようとせず 少年に似た人物をモデルに
あの有名なモンタージュ写真を作ったそうだ
つまり 既にこの世にない人物のモンタージュをあちこちにベタベタと
貼りまくっていたということか
警察もなかなかどうして・・・
「帝銀事件の巻」
これはとても手の込んだ不思議な事件
東京都衛生課の職員と名乗る男が 集団赤痢の予防薬と偽って
行員に毒物を飲ませた
12人が死亡 男は現金と小切手を奪って逃走
一旦は犯人が逮捕され 死刑判決も下されたが 執行されることはなく享年95歳で獄死
しかし この事件は 強引な取調べによる冤罪の可能性も高いそうだ
他に
「鼠小僧次郎吉の巻」
「出歯亀事件の巻」
「説教強盗の巻」
「玉の井バラバラ事件の巻」
「ピストル強盗の巻」
「大久保清連続女性殺人時間の巻」
「パリ人肉食事件の巻」
「金属バット殺人事件の巻」
について書かれている
【おこがましくも星どうぞ】



上記の事件以外にも
事件年表とでも云うべきものがついていて
その中にも おっそろしい犯罪が表記されている
「現代日本の闇」なんて よく云われるが
とうの昔から人類は血塗られていたのだな
と 感慨深いものがあった
十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | いつかパラソルの下で 森 絵都 (2005/04/26) 角川書店 この商品の詳細を見る |
異常なほど厳格な父のもとで育った3人のきょうだい
20歳になったのを機に家を飛び出し 仕事も恋人も定まらない兄
やはり成人するとともに 家をでて 男と同棲することによって
なんとか生活しているフリーターの野々
そして ただ一人実家に残った生真面目な妹
突然の父の死後 現れた元部下の女性の言葉は
性に対して異常なほどの嫌悪を見せていた 父の姿を裏切るものだった
部下との浮気
そして父が生前漏らした「暗い血」という言葉の意味は?
故郷を忌み嫌っていた父の過去を知るため 3人は佐渡へと旅立つ
そこで3人は親族と会い 父親の根幹を探ろうとするのだが
結局 得る事が出来たのは 大人しく頑なな少年の姿だけだった
物語の主人公 野々は恋人の達郎(ベルマークを集める堅実派)と同棲しているが
自分が不感症である事をコンプレックスに感じており
自分が真っ当な生活(就職をし 結婚する)が出来ないのは
自分をがんじがらめにしてきた父親のせいだと思っている
今までお父さんに あらゆる楽しみを取り上げられていたのだから
もう少し私は楽しんでいいんだ
私が女として機能しないのは お父さんのせいだ
しかし 根無し草のような暮らしぶりを達郎に指摘され ついに別れを告げられる
そして 野々は佐渡に発つのだが 自分が父を捨てたように
父もまた故郷を捨てたのだということに気付かされる
そして自分が何もかもを父のせいにしてきたこと
本来は自分自身の問題であるのに それさえも父の教育のせいにしてきたことに・・・
こういうのって誰しもが抱く感情かもしれない
自分のコンプレックスを親のせいにする・・・私自身 心当たりがある
コンプレックスを誰のせいでもなく 自分の問題だと認識できたとき
やっと人は独り立ちできるのかもしれない
【星つけます】



キャラクタがあまりにマンガチック
文章は読みやすく ユーモアもある
ラストが安直
.マ行の作家 森絵都 | trackback(0) | comment(0) |
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