2007/05/19 (Sat) 世界でいちばん醜い子供』を読む

世界でいちばん醜い子供 世界でいちばん醜い子供
浦賀 和宏 (2007/04/06)
講談社

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八木剛士と絶縁状態にあり、悶々としていた松浦純菜のもとに一通の手紙が届けられる。
それは彼女が左腕を失った原因となった事件の張本人からだった。
手紙には謝罪の言葉がしたためられており「会って謝罪したい」とまで云っている。
今頃になってなぜ?
それともこれは誰かのいたずらなのか?
手紙の送り主に会うため、雨男南部君と連れだって、純菜は待ち合わせの場所に出かけるのだった。


前作『さよなら純菜 そして、不死の怪物』が八木剛士のモノローグ(あるいは妄想)によって9割近く占められていたのに対して、今回は松浦純菜のモノローグで構成されている。
いや、単に独白と云ってしまうと語弊があるかもしれない。
スティーブン・キングばりの『自分の中の自分』との対話とはまた違った色合いがあるのだ。
今までカタチとしては明確だったが、その内実については不明だった
純菜の≪力≫が今回読者の前に姿を現すと云っていいだろう。
また八木視点でばかり描かれていたため、ご都合主義に見えていた純菜の優しさの正体も見えてくる。
根暗でいじめられっ子、成績も悪いし運動も出来ない、顔は顔面凶器と
云われるほどの醜さ、髪は極度の縮れ毛、究極の駄目人間。
そんな八木に身を任せようとした純菜の本心とは?
これはシリーズ最大の謎といっても過言ではない(笑
彼女と彼女の持つ≪力≫との対話によって、その謎も解き明かされるだろう。
そんな大したものでもないかw

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2007/05/14 (Mon) 『ダ・ヴィンチ・コード』を読む ダン・ブラウン

ダ・ヴィンチ・コード〈上〉 ダ・ヴィンチ・コード〈上〉
越前 敏弥 (2004/05/31)
角川書店

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ダ・ヴィンチ・コード〈下〉 ダ・ヴィンチ・コード〈下〉
越前 敏弥 (2004/05/31)
角川書店

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ルーブル美術館館長のジャック・ソニエールが館内で殺害された。
遺体はダ・ヴィンチの有名なウィトルウィウィス的人体図を模した形で
横たわっており、当日会う約束をしておきながら、果たせなかった宗教
象徴学教授ロバート・ラングドンはその特異な遺体の状況からフランス
警察に協力を求められる。
遺体の周りには暗号めいたダイイングメッセージが残されており、
戸惑うラングドンだったが、そこへソニエールの孫娘であり暗号解読員の
ソフィー・ヌブーが現れ、ラングドンに逃亡を促すのだった。
「フランス警察はあなたを第一容疑者としてみている。
このままここにいたら、この先何週間も拘束されることになる。
 まずはアメリカ大使館に逃げ込み、米国政府に保護を求めるべきだわ」
そう言い張るソフィーの大胆な行動により、二人はルーブルを逃げ出す
ことになった。
逃亡の間際に解いた暗号の指し示した絵から見つけ出した金色の鍵を
持って。

しかしアメリカ大使館にはすでに手が回っており、窮した2人は
知力と財力と権力を兼ね備えたラングドンの知人、宗教史学者であり
聖杯探求者のサー・リー・ティービング宅に逃げ込むのだった。
ラングドンとソフィーは、警察と殺人者の双方に追われながらも、
ソニエールが最期に伝えようとした“秘密“を手繰り寄せていくのだった。

一時期ブームになったおかげで予備知識はあったのだが、それなりに
面白く読めた。
テンポもいいし、思わせぶりな描写もスパイスになっている。
ただ何もかもはいそうですかと納得はいかない。
『最後の晩餐』の絵解きでも、ここに“M”が浮かび上がります!
とか云われてもそりゃそう見えるだけでないの?と天邪鬼なら思います。
点が三つあれば、“顔”に見えてしまうのが人間なのだから。
それから、うちの家には『モナ・リザ』も『最後の晩餐』もないので、
参考資料として写真を載せて欲しかった。

.海外作家 ダン・ブラウン | trackback(0) | comment(0) |


2007/05/13 (Sun) 『月に繭地には果実』を読む

月に繭地には果実―From called “∀”Gundam 月に繭地には果実―From called “∀”Gundam
福井 晴敏 (2005/03)
幻冬舎

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炭鉱王ハイム家の使用人ロラン・セアックは実は月の住人。
2000年前、宇宙規模の争いにより、死の星と化した地球を後にして
月へと移住した人類の子孫である。
月の女王ディアナ・ソレルの進める地球帰還計画の調査・先遣隊(実は人体実験)として、秘密裏に地球に降り立ったのだ。
ロランはハイム家の娘キエルへほのかな恋心を抱きながら、生死を含め、すべてが管理された月とはまったく違う、地球のたゆたいや揺らぎが
生み出す美しさにすっかり魅了され、地球人として生きることに喜びを感じていた。

そんなロランのあずかり知らぬところで月と地球間の帰還交渉は水面下で行われる。
しかし、月からの帰還という荒唐無稽な要求を地球側が安易に信じる
わけもなく、互いに疑心暗鬼に陥り、交渉は遅々として進まない。

そして2000年の歴史の中で“争い”を忘れていたはずの地球側は
何かに呼び覚まされたかのように、徐々に軍事力を蓄えていく。
そして痺れを切らした月の艦隊がついに地球に降り立ったことによって、
争いが勃発、繰り返しの歴史の幕開けとなるのであった。


福井氏大好きな私はなんの予備知識もなく、この本を手に取った。
表紙の絵が気持ち悪いなと思いつつ。
登場人物の名前が横文字で設定が近未来っぽい。苦手な分野だ。
月の女王が若く美しい女というのもいかにも、だ。
しかも地球で最初に出会った娘キエルと生き写しときたか。
ベタベタだな。

ヤダヤダと思いながら読んでたら大きなロボット出てきたよ。
なんじゃこれは?!
こういう設定次第で話がころころ転がる物語は説得力がない。
なんかアニメみたいだな・・・・。

   ・・・・・・

     ・・・・・・・

        ガンダム?!

そうか、そういうことか・・・・OTL

でも諦めない!最後まで読む!
福井氏が書く人々の熱さや生真面目さに変わりはないはずだ。


そして読了。
つまりこれは人間の愚かさをテーマにした作品といえるだろうか。
2000年前、人類が自らで汚し、失った地球。
その愚行を忘れる(あるいは目を背ける)ことで再起を誓い地球に残った
人類は、一旦は原始に戻った文明から復興を果たし、再び技術革新の
さ中に到達する。
そして月に渡った人類は二度と愚行を繰り返さないために、過去の技術を温めながらも、真に危険な兵器に関しては隠蔽し、管理してきた。
それはまるで去勢されたかのように。
しかし両者が出会うことによって、闘争本能に火がついたかのように、
情動的になり、利己的になり、愚かになる。
そこら辺の変化は私には正直納得のいく展開ではなかった。

そしてターンAガンダムのパイロット、ロラン。彼は優柔不断だ。
なぜ彼がターンAガンダムのパイロット足りえたのかが分からない。
もちろんその、ひとつの考えに固執しない、個人の感情を正当化して人に
押し付けることもしない、その自由度の高さがタ-ンAに受け入れられたのかもしれない。
しかしそんな人物ならたくさんいるような気がする。
そう考えれば誰でも良かった、とも云える。
繰り返しになるが、人々がたやすく争いの渦中に身を投じていく、
その有様こそが私には理解できない。

キエルの無様さは何だ。
恋に破れたくらいで人はあれほど醜態を晒せるものか?
それをまるで女の愚かさのように描写されても納得できない。
ハリーにしてもキエルにしてもグエンにしても、途中で“壊れた”としか表現のしようがない。

たくさんの人が作中で死ぬのだが、あの軽さは何だ。
『ローズダスト』で描かれた死とは比べようもなく醜く軽い。
“死”なんて美しいものじゃないのは分かってる。
分かってはいるが、アニメ仕様になるとこうも変わるものかと残念でならない。
つかどうしても∀が笑ってる口に見えて仕方なかった(゚∀゚*)

.ハ行の作家 福井晴敏 | trackback(0) | comment(2) |


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