2008/04/29 (Tue) 『真鶴』を読む 川上弘美

真鶴真鶴
(2006/10)
川上 弘美

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京には12年前に失踪した夫、礼とのあいだに一人の娘がいる。
今は母親と娘の百と3人で暮らしている。
青茲という恋人はいるが、彼には妻子がある。

    ある日、思い立って真鶴に出かけると、ついてくるものがあった。

京にはときとして、自分についてくるものの存在があった。
それは男だったり、女だったり、うすかったり、濃かったりする。
真鶴でついてきたのは女だ。
女は礼について何か知っているようであり、知らないようでもあり。

京ととても近くなりかねない存在感を顕にすることもあった。

なぜ自分が真鶴にひかれるのかはわからないが、女に呼ばれるように、再び訪れてしまう。
そして、ある日、残された礼の日記の中に「真鶴」の文字を見つけてしまうのだ。

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2008/04/29 (Tue) 『蚊トンボ白鬚の冒険』を読む 藤原 伊織

蚊トンボ白鬚の冒険蚊トンボ白鬚の冒険
(2002/04)
藤原 伊織

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倉沢達夫は水道職人として働いている。
どこにでもいるありふれた青年・・とは言い切れない。
幼くして母を亡くし、無口だった父親も、高校時代に亡くしている。
どこか暗い眼をした青年だった。
身体的な障害を理由に、陸上を諦めてからは、ただ生きるべくして生きてきた感がある。
人に媚びることなく、ドライで無関心、だけれども、無鉄砲に、まっすぐ。

オヤジ狩りの場面に遭遇した達夫は、被害に遭っているのがアパートの隣人の黒木だと気付き、警察へ通報すべく、その場を離れようとした。
すると右手が自分の意思と関係なく勝手に動き出し、ポケットの入っていたパチンコ玉を弾いた。
玉はナイフを持った少年に命中し、図らずも黒木を助ける結果となった。

わけもわからず、部屋に戻った達夫の頭の中に、突然呑気な声が聞こえた。
声の主は名乗る。
「おいらは蚊トンボの白鬚」
ひょんなことから達夫の頭の中に潜り込むことになった蚊トンボは、自我を持ち、言葉を解し、それどころか自分には宿主である達夫の筋肉を操る力があるとまで言い出す。
シラヒゲには、筋肉を収縮させるために必要なカルシウムイオン濃度を、瞬間的に通常の千倍くらいまであげることが能力が備わっていた。
つまりわずかな間ではあるが、宿主の筋肉を通常の千倍くらいまで強化できる。
まるでスーパーマンのようだが、そのパワーを長時間持続することはできない。

達夫がドライなのは、そのことを何かに利用しようとはしない所だ。
何事もなければ、頭にシラヒゲが住んでいることを、自然と受け入れてしまい兼ねなかった。
しかし、黒木が実はヤクザに追われる身だと知った達夫は、不穏な事態に、徐々に巻き込まれていってしまう。

.ハ行の作家 藤原伊織 | trackback(0) | comment(2) |


2008/04/20 (Sun) 『ストレンジャーズ』を読む ディーン R.クーンツ

ストレンジャーズ〈上〉 (文春文庫)ストレンジャーズ〈上〉 (文春文庫)
(1991/08)
宮脇 孝雄、ディーン R.クーンツ 他

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ストレンジャーズ〈下〉 (文春文庫)ストレンジャーズ〈下〉 (文春文庫)
(1991/08)
宮脇 孝雄、Dean R Koontz 他

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ドミニックは深刻な夢遊病に悩まされていた。
朝、目覚めるとクロ−ゼットやガレージで、身を隠すように丸まっていることに気がつくのだ。
作家としての成功を目前としているストレスのせいだろうと、医師の診断を受けるのだが、徐々に症状は悪化していく。

ジンジャーは将来有望な研修医だ。
買い物の途中でふと目に付いた黒い手袋に目を奪われ、突然恐怖の発作に襲われる。
闇雲に走り出し、その間の記憶がない。
医師として致命的な、遁走の発作を起こしたのだ。
恐怖の対象は手袋だけに限定されず、その時々で検眼鏡であったり、排水口であったり、一定せず、避けるすべがない。
検査の結果、器質的な障害が見当たらなかったジンジャーは、催眠療法を受けるべく、老奇術師を訪ねる。

元海軍兵士のアーニーは屈強な男だ。妻のフェイを守ることにプライドを持っていた。
しかし今、彼は闇に怯えている。
夜が近づくたびに子供のように震えがくる。
室内の明かりを煌々と点けても、窓の外の闇が怖い。
カーテンをぴっちりと閉め、夜を締め出そうと必死になっている・・

各地で得体の知れない恐怖に悩まされている人々がいた。
抑圧された記憶の中に秘密が隠されている、人々はそう気付き始め、やがて、すべての始まりともいえるモーテルに一人、また一人と集まり始める・・

十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |


2008/04/20 (Sun) 『もえない』を読む 森 博嗣

もえない―Incombustiblesもえない―Incombustibles
(2007/12)
森 博嗣

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同級生の杉山が死んだ。自殺だったらしい。
特に仲が良かったわけではない。
何度かCDを貸してくれたことがあるが、ほとんど聴くこともなく返した。
話しかけて欲しそうにしてることがあったが、僕は話しかけなかったように思う。
もうすぐ死ぬということが判っていれば、もう少しくらい親しいふりをしてやればよかったかな、そう思う。

葬式の後、職員室に呼ばれていくと、杉山の親父が来ていた。
棺を焼いた後、灰の中に栞のような金属のプレートが見つかったという。
そこには S.FUCHITA と僕の名が刻まれていたのだ。
僕にはまったく身に覚えがない。
そして、杉山とは同じピアノ教室、という共通点をもっていた山岸小夜子という女も三カ月前に自殺したという話を聞いた。
説明のできない違和感を抱いていた僕は、そのピアノ教室を訪ねることになった・・

.マ行の作家 森博嗣 | trackback(0) | comment(0) |


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