![]() | 図書館戦争 (2006/02) 有川 浩 商品詳細を見る |




公序良俗を乱し人権を侵害する表現を取り締まる法律として『メディア良化法』が成立・施行された。
メディア良化委員会は検閲権を有し、本が狩られ、国民の手に入らなくなる。
それに対抗する図書館法第四章の成立によって、唯一検閲対抗権を得た図書館だが、メディア良化委員会の示威行動はエスカレートするばかり。
図書館側も防衛力を追求し、警備隊を持つに至る。
結果として抗争は激化の一途を辿り、良化隊員と図書館員が戦闘で死傷することすら、超法規的解釈が為されるようになった。
そんな図書館の防衛員を目指す女がいた。
笠原郁。身長170センチ。熱血バカ。身体能力に恵まれるが、座学は苦手。
高校時代に本屋で助けられた図書隊員に憧れ、防衛員を志望する。
堂上篤。身長165cm。笠原の教官になるのだが、相性が悪い。
元来、考えなしに行動する性格なのだが、あることをきっかけに自省を覚える。
堅物でまじめな性格。
この二人を軸に展開するいわば主人公成長物。
軽妙な語り口でサクサク読める。
周りを固める登場人物も個性的で、キャラが立っている。
ジャンル的にはライトノベルだな。しかもラブです、ラブ。うひゃあ。
読んでいてこそばゆいのだが、不快じゃないのはそのキャラゆえか?
ギャグはツボです。作者に妙な親近感を抱いてしまう。
地の文が軽妙な中に堅苦しい“歴史”が挿入されるので、そこは読みづらいかな。
正直言って、説得力はない。
トンデモな法が制定された所以も、それを拡大解釈して武装に至るなんてのも。
とはいえラノベだから許します。
ミリタリー物は福井晴敏氏とつい比べちゃいます。
やはり深みが違います。
十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) (2008/03) 小林 泰三 商品詳細を見る |


表紙がありえないだろ。
ちなみに著者は“こばやしたいぞう”ではなく“こばやしやすみ”です。
『天体の回転について』
科学を忌み嫌う種に属する青年が、純然たる好奇心で、「妖怪」と呼ばれる科学を操る種の保持する乗り物に乗り込む。
それは軌道エレベータ。
そこではリーナと名乗る女の子のホログラムが、青年に「〜なのよ♥」ってハートつきでガイドをしてくれる。
地球の引力、自転による遠心力、そしてコリオリ力。
言葉は通じないが、熱心に説明するリーナ。
青年は無重力を体験し、月に到達し、そしてリーナに恋をする。
宇宙に行くための手段はなにもロケットだけではない。
地上から宇宙まで長大なエレベータを作る、という理論は成立するのだ。
(地球のエレベータを箱ごと飛び出し、月のエレベータでそれをキャッチする。)
SF好きならそれだけで楽しいのだろうが、私にはストーリー性のない、趣味的な文としか思えなかった。
『灰色の車輪』
ロボット三原則に反する危険なロボットが作られているのではないか。
調査のために麗奈は天牙博士を訪ねた。
そこには人間の能力をはるかに上回るロボットたちがおり、それらは人と違わぬ“心”を持ちながら、抑制された状況下にいた。
ロボット三原則という枷が外れたとき、ロボットの暴走が始まる・・・。
恋愛感情を持ち、痛みを知り、高い知性の持ち主であるロボットが、抑圧から抜けでた途端、豹変する。
知性と憎しみは反比例しないのか。
十把一絡げ | trackback(1) | comment(0) |
![]() | 人狼城の恐怖〈第2部〉フランス編 (講談社ノベルス) (1997/09) 二階堂 黎人 商品詳細を見る |
第1部ドイツ編と対になった本作。
舞台はもちろんフランス。
ドイツ編では、オカルティックな殺人劇を追いながら、現実的な推理を働かせようとしていたら、ラストに「あー ふざけんな おまー」な展開となった。
今回は人外の存在が前提となって、物語は始まる。
ナチスがオカルト的な要素を持っていたことは、周知の事実である。
人体実験の凄まじさもまた然り。
そのオカルトの産物ともいうべき秘密兵器の残党――《星気体兵団》もしくは《人狼》と呼ばれる――が現在も生き残っており、殺人を続けている。
それを狩るために、協力を要請された弁護士ローラント・ゲルケンは、閉ざされた古城の中で、繰り返される凶行を目の当たりにして、次第に追い詰められていく・・・。
ドイツ編とフランス編は対の作品なので、古城に到ってからのストーリーはデジャヴを呼び起される。
奪われた鍵、密室での殺人、消える頭部、毒、動き出す甲冑。
特に首なし死体の場合、被害者が特定できないので、疑い出したらきりがない。
おまけに登場人物の名がみんなカタカナだ(当たり前だ
覚えられない。
一冊で10人以上死んでる。
もう、だれがどこでどんな順番で死んだ(消えた)のか、覚えていられない。
解決編を読んでも、きっと、謎は、解けない・・・(アタシにはな
十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 人狼城の恐怖〈第1部〉ドイツ編 (講談社ノベルス) (1996/04) 二階堂 黎人 商品詳細を見る |


ドイツとフランスの国境に位置する古城『人狼城』。
1970年、製薬会社によって招待された10人の客が集う。
《フォン・フェスト製薬》という大企業が打ち出した『豪華国内旅行ご招待プレゼント』という企画によって、過去に同社のアンケートに答えたことのある者のなかから、無作為に選ばれた10人が招待されたのだ。
しかし、一人で旅に参加したピアノ教師のテオドールには、そのアンケートに答えた記憶はなかった。
テオドール以外には著名な大学教授、宝石商夫婦、女優とマネージャー、銀行役員とその姪、建築屋、会計士と共通点のない参加者たちだが、それぞれがどうもきな臭い。
城には病弱な伯爵夫人とわずかな使用人しかいない。
到着した翌日に執事が死んだのを皮切りに、次々に人々が無残に殺されていく。
そして何者かによって、出入り口は閉ざされ、城から出ることがままならなくなる。
時に姿を見せる殺人者は事を成したあとには、煙のように消えてしまう。
殺人者の影に怯え、互いに疑心暗鬼になりながら、テオドールたちは助けを待つのだが・・・。
十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 図書館警察―Four Past Midnight〈2〉 (文春文庫) (1999/08) スティーヴン キング 商品詳細を見る |


『図書館警察』
不動産業を営むサム・ピープルズは突然ロータリー・クラブの講演の代役を務める羽目になった。
原稿は出来上がったが、臨時秘書のナオミのアドバイスを受け、スピーチにいろどりを添えるための本を図書館に借りに行くことになった。
サムがその町の図書館を利用するのは初めてだったが、彼は総体としての“図書館”に不安感を抱いているような様子があった。
もちろん自覚もなく、理由もない。
逡巡した結果、やっと足を踏み入れた静まり返る図書館に人の姿はない。
児童図書室には子供たちの恐怖心を煽るのを目的としているとしか思えない、不気味なポスター。
おびえる赤ずきんちゃん。
人さらいにさらわれて悲鳴を上げる少年。
そして返却を怠った子供たちを脅す図書館警察。
悪夢を呼び起こしそうなそれらのポスター。
不安に取り付かれそうなサムの後ろに突然現れた女性司書。
一見にこやかだが、彼女の眼は笑っていない。
とにもかくにも2冊の本を借り受け、おかげでスピーチは大成功を収めるのだが・・・・。
サムの子供時代の封印された記憶がネックになる。
ある意味、心の回復の物語とも言えようか。
しかし図書館警察が実在したら、私はとっくにあの世行きだな。
『サン・ドッグ』
ケヴィンは15歳の誕生日に念願の物をプレゼントされる。
サン660―――ポラロイドカメラだ。
嬉々として初めての撮影に挑んだが、そこにはあるはずの室内での家族の笑顔ではなく、まったく別のものが写っていた。
『犬と柵』。
どんなに被写体を変えて撮っても、写るのはその犬なのだ。
何枚も撮り重ねていくうちにあることに気づく。
犬は徐々にこちらを振り向き、その恐ろしい牙を剥き出しにし始めているのだ・・・・。
舞台はおなじみキャッスルロック。
ポップ・メリルが大活躍!(笑)
二作ともなんだか読みづらかった。
いちいちまだるっこしいのよね。
『ニードフル・シングス』のエピローグにサムとナオミの名が出ているのだそうだ。
チェキラ☆
.海外作家 スティーブン・キング | trackback(0) | comment(0) |
![]() | カオスの娘―シャーマン探偵ナルコ (2007/06/05) 島田 雅彦 商品詳細を見る |


「見えないものを見る眼力とは自在に夢を見る能力のことだ。」
そう言って、シャ−マンである祖母に、幼い頃からナルヒコは夢見の訓練を受けてきた。
夢を見たらそれを覚えておいて、祖母に話すのだ。
ナルヒコは夢を生け捕りにすることに長けていくが、引き換えにナルコレプシーという厄介な病気を抱え込んでしまう。
眠り病。日常のふとしたことが引き金となり、唐突に眠り込んでしまう病気だ。
やがて、ナルヒコが十二の年に祖母は亡くなり、十五の年に本物のシャ−マンとなるため、北海道の原野に旅立つ。
もう一人、過酷な運命に堕とされた少女がいた。
彼女は誘拐され、父親を目の前で殺害される。
眼を覚ますと、マンションの一室に裸で縛られたまま、横たわっている。
部屋には魔王子と名乗る男がいて、少女を真琴と名づける。
少女には記憶がなかった。自分の名前、母親の顔すら思い出せない。
暴力と陵辱に曝され、真琴は魔王子に2年間、飼われることになる。
解放のときは、殺人という後戻りのできない手段を伴って、突然訪れる。
しかし、魔王子の“洗脳”によって、外の世界は真琴にとって戦場と化していた。
マンションを出た真琴は、漠然と東京へと向かう。
しかし当てのないまま、飛行機を降り立った彼女を待ち受けていたのは、女を食い物にする有象無象ばかりだった。
.サ行の作家 島田雅彦 | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 酒気帯び車椅子 (2004/12) 中島 らも 商品詳細を見る |


小泉は四十一歳にして開発部の部長の席を与えられている、やり手の商社マンだ。
現在彼は、画期的な一大プロジェクトを抱えている。
バブル以降、ゴルフ場はどこも苦境に立たされており、バタバタと倒産していた。
それを買い取り、高齢化社会を迎えて、需要が伸びるだろう霊園に作り変えるのだ。
彼自身の立案でもあるこのプロジェクトは、順調に進んでいた。
ところが、買収の決まった土地を譲るように、やくざからの横槍が入る。
断固として拒否した小泉にやくざは容赦しなかった。
妻を、娘を、そして自らは体の自由を奪われた小泉は、ひそかに復讐を誓う・・・
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![]() | 9人の児童性虐待者 (2006/08) パメラ・D. シュルツ 商品詳細を見る |


表紙が怖いよぉ〜
被虐待経験者である著者が刑務所の囚人(児童性虐待者)にインタヴューし、セルフ・ナラティブ(自伝的な物語)を引き出して、まとめた本である。
それぞれの生い立ちから始めて、犯罪に至った経緯、収監後の活動、現在の心境を語らせる。
なぜ虐待者は生まれるのか、果たしてその要因は子供時代にあるのか、それを分析することによって、虐待者を作らないように出来るのか。
テーマはそんなところだ。
意外に思われるかもしれないが、いわゆるレイプという形での虐待は少ない。
大人が子供の好奇心を利用して、性的な行為に参加させるというのが、実に多い。
子供から誘う、という例もある。
よって被虐待経験者が陥るのは、「自分にも責任があったのではないか」という自責の無間地獄だ。
そこから抜け出すことは、容易くない。
そのことに気がつかされたのが、辛い。
著者の分析は分かりにくく、つまらなかった。
十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | ヘッド・ダウン―ナイトメアズ&ドリームスケープス〈2〉 (2000/03) スティーヴン キング 商品詳細を見る |



短編集です。
ゾンビ、地球外生命体、SF、名作へのオマージュなどなど取り合わせております。
一部だけ紹介。
『雨期きたる』
七年に一回、その町には雨期がやってくる。
ある物が空から降って来るのだ。
たまたまその日にその町を訪れた夫婦が襲われる恐怖とは・・・。
みたいな感じ。
因習的な匂いもあって、ベタな内容だけど、好きだ。
『十時の人々』
十時になるとタバコを吸うために、ビルから出てくる人々のことを、ピアスンはひそかに<十時の人々>と名づけていた。
もちろん彼もその一人だ。
タバコを完全にはやめられず、かといってヘビースモーカーでもない。
一日に何本と決めて吸う、いわばタバコとの暫定協定を結んだ人たちのことだ。
ある日、そういう人たちにだけ見える存在があることに、ピアスンは気がついてしまう・・・。
ちょうど物語のプロローグのような展開。
人類が化け物に乗っ取られつつあることを知り、立ち上がるレジスタンス。
そこで話が終わるのだが、ワクワク感が残って、良い。
『クラウチ・エンド』
異界との境界に位置する土地、「クラウチ・エンド」。
恐怖の狭間に落ち込んでしまう旅行者のお話。
『第五の男』
ハードボイルド?
意味分からん。
リチャード・バックマンってこういう話書いてたのか。
『ワトスン博士の事件』
シャーロック・ホームズへのオマージュ。
ワトスン君が謎を解いちゃうのだ。
とはいえ、、、いいのですか、レストレイド警部。
『アムニー最後の事件』
これもオマージュだが、元ネタがわからんので、なんとも言えない。
『ヘッド・ダウン』
これはエッセイ的なものなのだが、この本の中で一番良かった!
キングの息子も参加する、少年野球がリーグを勝ち上がっていくストーリー。
少年たちもだが、コーチたちがいい。
彼らはただ、野球を愛し、少年たちを愛し、そのシーズンを愛しているのだ。
プレーするとき、彼らはみんな愛し合わなければならないんだって。
勝ち負けは問題じゃなくって、一緒にプレーしたこと自体が重要なんだ。
「大切なのは誰が自分のチームメイトか知ることだよ。
好き嫌いは別にして、自分が頼らざるを得なかった人間はだれかということを」
.海外作家 スティーブン・キング | trackback(0) | comment(0) |
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