![]() | 正義のミカタ―I’m a loser (2007/05) 本多 孝好 商品詳細を見る |



高校時代いじめられっ子だった蓮見亮太は、やっとのことで三流大学に入学。
自分の過去を知る人のいないこの大学で、生まれ変わろうと決意していた亮太だが、授業の始まる初日にいじめっ子の畠田にまさかの再会をしてしまう。
再びあの悪夢の日常が始まるのか・・・。
ボコられながら、大学をやめる決意を固めた亮太に救いの手が差し延べられる。
小柄な体格ながら、見事な動きで畠田を撃沈、ボクシングインターハイ三連覇の経歴を持つ桐生友一だった。なぜか友一に見事なまでの“殴られ方”を買われて、亮太はある部にスカウトされる。
正義の味方研究部。
そこで自分の持つ能力(必要以上に殴られないためにわざと殴らせる。攻撃を目で追える)を指摘され、初めて気づかされる。
友達のいなかった亮太は、人に認められた嬉しさで即入部を決意。
正体不明の佐山部長、理知的な亘先輩、マッチョな一馬先輩、美人でグラマラスな優姫先輩。
新しい友達。そしてクラスにはかわいい女の子。
亮太の春が始まろうとしていた・・・。
.ハ行の作家 本多孝好 | trackback(0) | comment(2) |
![]() | 心臓に毛が生えている理由 (2008/05) 米原 万里 商品詳細を見る |


エッセイ集。暇つぶしにパラパラめくるにはよい本。
著者は作家であり、通訳としても活躍していたので、海外の小咄に詳しいようだ。
また私たちが普段見過ごしている”当たり前”のことにも目をつけるので面白い。
興味深かった話。
ある湖に浮かぶ島に猿の大群が放たれた。
アフリカ生まれの野生の猿もいれば動物園育ちもいる。
どの猿にとっても、そこは生まれ故郷から遠く離れた土地だった。
つまりそこの棲息する動植物には馴染みがなかった。
もちろん毒性のある植物も生えている。
しかし猿たちは、一匹たりとも有害な、あるいは食用に適さない動植物を口にはしなかったそうだ。
人間が既に失ってしまった能力である。
日本では給食や社員食堂、、病院、老人施設、どこに行っても食器に陶磁器を使っていない。
著者は子供の頃をチェコスロバキアで過ごしたが、金属製の食器を使っているのは、軍隊や監獄くらいだった。
機内食でもビジネスクラスやファーストクラスになると、陶磁器を使う。
プラスチックの食器ではどんな料理でも餌に成り下がる。
便利さだけを追求した味気なさが日本にはあるのだろう。
そうそう。
ヤギは悪魔の化身なのに、羊は神の迷える子羊なんて差別されるのはなぜだろう?
どっちも似たようなものなのにね。
.ヤ行の作家 米原万里 | trackback(0) | comment(0) |
![]() | スカイ・イクリプス (2008/06/24) 森博嗣 商品詳細を見る |



短編集。これまでの謎を解くヒントが隠されているそうです。
.マ行の作家 森博嗣 | trackback(0) | comment(0) |
![]() | キュア cure (2008/01/11) 田口ランディ 商品詳細を見る |




斐川竜介は大学病院の院生として、ガン病棟で毎日患者の体を切り開いている。
外科手術においては、ゴッドハンドと呼ばれるほどの手腕の持ち主だ。
彼には幼い頃から、特殊な能力があり、外科医となった今、無意識にその力を使っている。
人の発する微細な電磁波をメスで感じ取り、ダウジングのように破壊された細胞を探る。
他人の神経回路に同調して、思考や感情を読み取ることによって、患者に病をもたらすストレスに直に触れる。
長い間投与され続けた多量の化学物質や放射線の影響によって混乱しきった意識。
低下した生体反応。
侵された患者の意識に同調して、それを取り込み、整理して感情情報を戻すスクリーニングの作業。
しかし、彼特有の“治療行為”は彼の肉体も痛めつける。
やがて彼自身も、病に同調したかのように、肝臓がんに侵されてしまう。
初めて“患者”になった彼は自分の求める治療が病院にはないことを思い知らされる。
かといって、宗教にもスピリチュアルなヒーラーにも彼は身を委ねることができない。
人の求めるCURE(治療)とか一体どんなものなのか・・・。
.タ行の作家 田口ランディ | trackback(0) | comment(0) |
![]() | 映画篇 (2007/07) 金城 一紀 商品詳細を見る |



「太陽がいっぱい」
龍一(リョンイル)は子供の頃からクラスの中心にいるような明るい子で、僕はといえば人見知りがひどく、いつも一人でいる子供だった。
しかし映画好きという共通点がふたりをかたく結び付けていた。
「大脱走」に始まり「ドラゴン怒りの鉄拳」「酔拳」・・・
僕たちには父親がいなくて、鬱屈を抱えながら、幼さゆえにそれをさらけ出す事ができなかった。
そんな僕たちが好きなのは父親か両親がいない主人公の映画だった。
つまらない映画に当たった時は、僕たちはいつもそれを面白く作り変えることに専念した。
「太陽がいっぱい」は僕たちを魅了した。
トム・リプリーは貧しく身寄りがないが、才能に溢れ、完全犯罪を目論む。
ただラストでリプリーが警察に捕まってしまうことだけが納得がいかなかった。
僕たちにとっては、映画の主人公が自由を奪われるなんて有り得なかったのだ。
だから僕たちが自分で考えたストーリーのなかでは、リプリーは捕まることはなく、悠々と逃げ延び、あらたな完全犯罪を目論むのだ。
時が流れ、僕が脚本家か小説家になる夢を持って日本人学校に進学したことによって、龍一との付き合いも途絶えた。
僕は製薬会社に入社し、自分の夢のことは片隅に追いやってしまった。
噂によると龍一が良くない仕事に関わっているのは知っていた。
そんな時、突然かかってきた龍一からの電話。
「映画を見に行かないか」
だけど僕は行かなかった。
いつだって僕は龍一のSOSに気づかずにきてしまったのだ。
☆
初読では「なんだこれ」が正直な感想。
少年期のノスタルジー?なんだかつまらない。
ラストで主人公が一本の小説のようなものを書き上げるのだが、これがひどい。
陳腐な素人小説じゃないか。
でもこれって人のささやかな願いなんだよね。
そしてささやかだけど、人のもてる最大限のパワーなのだ。
そういう観点で読めば、とても、せつない。
「ドラゴン怒りの鉄拳」
製薬会社に勤める連れ合いが寝室で首を吊った。
それを発見して以来、わたしは寝室に入るのを拒み、暗闇を恐れるようになった。
折りしも連れ合いの勤めていた会社では、薬害訴訟を免れない事件が発覚した。
マスコミの取材に疲れ、連れ合いの上司にも“消えた書類”を探すよう迫られ、ついに電話線を抜き、外出もしなくなった。
ひたすら連れ合いの好んだ本を読み、DVDを観、音楽を聴く。
その作業を終えると、今度は連れ合いの痕跡を洗い流すように、彼が好まなかった本を読み、DVDを観、音楽を聴く。
時を経て、やっと電話線を繋いだとき、かかってきた電話はレンタルビデオ店からだった。
連れ合いが生前借りていたビデオが未返却のままだったらしい。
五ケ月ぶりの外出。
ビデオ店の店員、鳴海はわたしの顔を見て「サービスです」と言ってビデオを貸してくれた。
その真剣にくだらないコメディを見て、自分が久しぶりに笑ったのを思い出した。
そのビデオを返しに行くと鳴海はまた「サービスです」と別のビデオを差し出してくれるのだ。
☆
回復の物語。
突然自分の前から去ってしまった連れ合いとの関係に疑問が生まれ、彼の仕事が人の命を奪ったかもしれないという現実に怯え、閉じこもっていたわたし。
そんなわたしに現実と向き合い、闘う覚悟を決める勇気をくれたのは映画であり、鳴海だった。
恋の力と映画のパワー。
誰にでも得られるものでは、ありません。
「恋のためらい/フランキーとジョニー もしくは トゥルーロマンス」
隣席の石岡はあまり学校に来ない。たまに来ても居眠りをしているか本を読んでいる。
僕は学校では仲間はずれだけど、彼女も一人だった。
彼女の強い目が僕は嫌いではなかった。
ほとんど話したこともなかったのに、突然石岡に「ローマの休日」の上映会に誘われた。
そして彼女の現金強奪逃走計画を聞かされる。
☆
ラブです、ラブ。
汚い仕事をしているパパを憎む娘と、父親の犯した過ちによって精神の均衡をなくしてしまった少年。
ああ 恋のパワー _| ̄|○
「ペイルライダー」
小学3年生のユウは映画が大好きで、友だちのカメちゃんと夏休みの自由研究では《映画ランキングベスト50》というレポートを作ることになっていた。
しかし肝心のカメちゃんはさっぱりやる気がない。
おかげで夏休みの最終日にギリギリ最後の一本を観る羽目になった。
そんな8月31日。
ユウは同級生の幹島くん(親が暴力団幹部)にからまれているところを黒ずくめのライダーに助けられる。
黒いオートバイが唸りを上げて、幹島くんたちを追い払ってくれたのだ。
どうやらライダーは女性だ。かっこいい!
ライダーがバイクを停め、おもぬろにヘルメットを取るとそこに現れたのは・・・・
パンチパーマでえびす顔のおばちゃんだった。
バイクに魅了されたユウは、おばちゃんの後ろに乗せてもらい、東京湾を望む埠頭まで走りだした。
おばちゃんはとっても優しくて、でも鍛え上げられた肉体は岩のようで、体には大きな火傷の痕があった。
☆
両親の不仲という子供にとっては痛すぎる現実。
でもおばちゃんとの出会いでユウは少し強くなれた。
おばちゃんもまた過去にとても痛い痛い経験をしていた。
それにどう決着をつけるかは、自分しだいだ。
でも彼女はもう逃げないと決めた。だからあれだけ強くなったのだろう。
おばちゃんのバイクに刻まれた《C・E 32》《Y・E 8》という文字。
たぶん夫と子供のイニシャルと年齢なのだろう。
それが明らかになることはなかったが。
「愛の泉」
鳥越家のおじいちゃんが死んでから、おばあちゃんはめっきり元気をなくしてしまった。
おばあちゃんのもつ「だいじょうぶオーラ」が消えかかっているのだ。
五人の孫たちは以前のおばあちゃんを取り戻すべく、策を練る。
二十二歳の律子姉ちゃんはすでに鳥越家のゴッドファーザーの貫禄を備えた、才色兼備。
二十歳の僕は律子姉ちゃんと同じ大学に通う大学生。
同い年のかおるとはなぜか馬が合わずにいつもケンカばかりだ。
十七歳のリカは控え目でおとなしく、親戚じゃなかったら、ちょっかいを出してしまいたくなるタイプだ。
リカの四歳下の弟ケン坊はいたずら好きのやんちゃ坊主。姉と大違いのアホの子。
そんな僕たちが考えぬいて練り上げたミッションがこれだ。
おばあちゃんがおじいちゃんとの初デートで見た映画の上映会を僕たちの力で実現してしまおう!
律子姉ちゃんに無理やりプロデューサー役を押し付けられた僕の困難の日々が始まる・・・。
☆
個性的なキャラがいっぱいの鳥越家。
彼らのやり取りはとても面白い。暖かく救いのある話。
.カ行の作家 金城一紀 | trackback(0) | comment(0) |
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二一〇年、渡辺早季は神栖66町に生まれた。
その世界には貨幣が存在せず、人々は愛を交わすことによって争いを避け、肉体労働はバケネズミという人語を解す生き物に課していた。
町の周りは八丁標という結界に囲まれており、いまだ呪力を持たないこどもはそこを越える事を禁じられている。
外には恐ろしい化け物たちが棲息していると言われているからだ。
悪鬼、業魔、風船犬、ネコダマシ・・・。
書籍の閲覧制限も厳しく、得られる知識は少ない。
果たして大人たちが言うような化け物は実在するのだろうか。
進学し、徐々に呪力を身につけ始めた早季と同級生たちは、禁忌を破って禁じられた地に足を踏み入れる。
そこで見つけた奇妙な生き物は人間の言葉を解し、自らを図書館端末機器だという。
これまで消化不良だった謎の答えが得られるかもしれない!
興奮した早季たちは矢継ぎ早に質問をする。
悪鬼とは何か、業魔とは何か。
そして呪力を持つものと持たざるものに分離した人類の歴史は・・・。
争いを避けるために作られたシステムは洗脳でしかなく、身を守るためなら、他者の命も尊厳もいとわない。
愚かしく残酷な生き物は実は人類なのかもしれない。
.カ行の作家 貴志祐介 | trackback(0) | comment(0) |
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大晦日の午前9時、ワシントンの地下鉄で、乱射事件が発生。
そして市長宛に脅迫状が届く。
「解き放たれた<ディガー>は止められない。四時と、8時と真夜中。現金で$2000万ドル。俺を殺したら、やつは殺しをつづける」
FBIは引退した捜査官パーカー・キンケイドに筆跡鑑定を依頼する。
ディーバー氏お得意のどんでん返しあり。
リンカーン・ライムもちょびっと登場。
ライムの場合、身体的な欠陥がその精神状態を蝕んでいるのが、私には面白かった。
キンケイドの場合は、FBIという危険な職業のために子供までも巻き込んでしまった後悔、そしてその監護権を失うのではないかという恐れが人間味を与えています。
しかし事件捜査については、醍醐味みたいなものが伝わってこなくて、評価は低いままで終わりました。
第一、筆跡鑑定が主題なのに、和訳で読むのは無理があるかも?
とはいえ<ディガー>のキャラは面白かったですよ。
.海外作家 ジェフリー・ディーバー | trackback(0) | comment(0) |
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乞食のトム・カンティはちょっと変わったところのある少年だった。
王に迫害された神父に習い、ラテン語を学んだり、物語を読むのを好んだ。
高貴な人々の生活に憧れ、特に王子を一度目の当たりにしたいと望んでいた。
ある日ウエストミンスター宮殿を訪れたトムは、門の格子越しに、ほんとうの王子を目にすることができる。
喜びと驚きで格子にしがみついたトムは番兵に追い払われるのだが、それを見咎めた王子エドワード・チュードルによって、宮殿内に招き入れられる。
王子の求めに応じ、貧困と暴力に満ちた家庭の話をし、しかし自由で面白いことのたくさんある暮らしについて語る。
そして互いの生活をうらやむ二人。
戯れに着物を取り替えてみると、実に瓜二つの王子と乞食だった。
ところが乞食の着物のまま外に出てしまった王子は、番兵にどやしつけられ、王子は乞食として、乞食は王子として、入れ替わってしまうのだった。
トムは慣れない宮殿生活に戸惑うのだが、気狂いの病で記憶が混乱していると判断され、一刻の猶予を得る。
マナー本や鞭打童の助けを借りて、徐々に王子らしくなっていく。
エドワードはといえば、やはり気狂い扱いされるのだが、トムの父が殺人を犯したせいで、逃亡生活に巻き込まれる。
そして父王ヘンリー八世崩御。
乞食のトムが国王として戴冠の儀を得てしまうのか・・・。
.海外作家 マーク・トゥエイン | trackback(0) | comment(0) |
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