2008/08/19 (Tue) 『図書館危機』 有川 浩

図書館危機図書館危機
(2007/02)
有川 浩

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郁の長すぎるファンタジーにやっとこさ終止符が打たれ、様々なエピソードの中で、今まで以上に“リアル”な感情に翻弄されます。
そこらへんの心理描写が私には理解しづらく、何度か読み直すことも。
そして図書隊の役目について、それがただのお話の中の正義の味方ではないということを今回実戦を持って、思い知らされます。
それを受け止められたのはやはり堂上の想い、そして玄田たちの体を張った覚悟を目にしたからこそ、なのでしょう。

別冊を先に読んだせいか、いつもより甘さ控えめに感じましたw
あとアルコールを飲んだときに、スポーツドリンクを飲んではいけないということを初めて知りました。
今まで飲んでたかもしれない・・・。

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2008/08/17 (Sun) 『メタボラ』 桐野 夏生

メタボラメタボラ
(2007/05/08)
桐野 夏生

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僕の記憶の始まりは闇に包まれた森の中。
僕は何かから逃げようと無様に怯えながら走っている。
「ココニイテハイケナイ」
ただその言葉だけが頭の中を駆け巡っている。

突然森は途絶え、アスファルトの道路に転げ落ちる。
途方に暮れていた暗い道の途中で出会った男は昭光(アキンツ)と名乗り、彼もまた「脱走」の途中だった。
宮古島で育った昭光は本島に憧れ、「独立塾」に入ることを条件に島を出た。
しかし規律正しい生活が早々に嫌になった彼は真夜中の脱走を試みたのだった。
そして自らも名乗ろうとした僕は愕然とする。
名前が思い出せないのだ。
着の身着のまま、記憶すら持たない僕は、能天気な昭光に「ギンジ」という飼い犬の名をもらい、二人の旅が始まる。

一晩かけて下山し、行き着いたコンビニのバイト店員磯村ミカに拾われた僕とアキンツ。
アキンツはまだ十代だが整った顔立ちでミカを虜にする。
僕はといえば、ミカのルームメイトの手前、ミカの弟という役割をもらい、おかげで磯村という苗字を手に入れた。
しかしルームメイトとのトラブルに巻き込まれ、そこすらも逃げ出さざるを得なくなる。
不安を抱えながらも、それぞれが見つけた行き先へ。

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2008/08/17 (Sun) 『203号室』 加門 七海

203号室 (光文社文庫)203号室 (光文社文庫)
(2004/09/10)
加門 七海

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都会にあこがれて上京してきた大学生清美は念願の一人暮らしを始める。
しかしその部屋では数々の異様な現象が起こる。
異臭、物音、ぬくもりを残した床、虫、しみ。
近所の人に聞いても特にいわくつきの部屋ではないという。
周りの人に相談しても、だれも真剣には受けあってくれない。

十把一絡げ | trackback(0) | comment(0) |


2008/08/17 (Sun) 『スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 』 スティーヴン・キング

スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)
(1988/05)
スティーヴン キング

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4つの短編とひとつの中編。
「霧」
メイン州西部はかつてない激しい嵐に見舞われた。
翌朝、デヴィッドは嵐の爪あとを見回りながら、湖の岸の一部が霧に覆われていることに気づいた。
不自然に真っ白で、定規で引いたような直線をなしている霧。
不安を覚えながらも、妻を家に残し、息子のビリーと停電したスーパーマーケットに買い物に行く。
混雑したレジに並んでいるとそれはやってきた。
太陽を覆いつくし、視界を奪い、禍々しいモノを包含した霧が。
忠告を聞かずに外に出た者は悲鳴だけを残し、消える。
魔女めいた不吉な骨董店の女主人はこの世の終わりを叫ぶ。
行くのか、留まるのか。
人々の間に軋轢が生まれ、極限に達する・・・。

☆追い込まれた人たちが常軌を逸していく様、がもうちょっと書かれているのか
 と思ったらそうでもなかった。
 食料のあるスーパーでの篭城でなかったら、もっと凄まじかっただろうな。
 でもとっても面白かった。
 殺虫剤片手に闘うミセス・レプラーが好き。
 ラストもいいなぁ。映画も見たいなぁ。

「握手しない男」
その夜、ともにポーカーのテーブルを囲むことになった男には奇妙な性癖があった。
絶対に人と握手をしないのだ。
それをさておけば人は悪くない。
ゲームは滞りなく進むのだが・・・。

☆百物語的な語り。いわゆる呪い物。もっと孤独感が描けてれば良かったな。


「ウェディング・ギグ」
シカゴのやくざスコレイの妹の結婚式で演奏をすることになったジャズバンド。
妹はとてつもなく太っていて、さらに醜かった。
式の最中、対立するやくざに脅されてやってきた小男は妹を侮辱するメッセージを伝える。
怒り狂ったスコレイは会場を飛び出し、おめおめと消されてしまう。

☆見方によっては憐れでもあり、滑稽でもある一人の女性の人生
 (それはグロテスクでもある)をバンドマンの男が語る、ただそれだけの話。
 しかし年老いた男がふとにじませる後悔に似た色合いに惹きつけられてしまった。
   

「カインの末裔」
最後のテストを終え、ギャリッシュは寄宿舎に戻る。
道すがら、彼は旧友と言葉を交わしつつ、その死に様を淡々と思い浮かべる。
部屋に戻るとメソジスト派の牧師である父親に買ってもらった銃を取り出し、しばらくのあいだすすり泣く。
ギャリッシュはカインとアベルを引き合いに出し、「世界が神様のイメージで創られた以上、人間は世界を食うか、世界に食われるかだ。」とポスターのハンフリー・ボガードに語りかける。
そして引き金を引く。

☆詳しい背景は語られない。「エレファント」の長い長いショットを思い出した。


「死神」
老成金の運営する記念博物館には有名な職人の手になる鏡台があるという。
しかしその鏡にはいわくがあった。鏡を覗き、そこにあるはずのない物を見てしまった者は・・・。

☆凄惨で不幸な死が訪れる!というオチでないのがオチ。
 これって待ち続ける者への呪いでもあるな。


「ほら、虎がいる」
授業中にトイレに行きたくなったチャールズは無人の洗面所で虎に出くわす。
しかし尿意が収まるはずもなく、逡巡していると、クラスメートのケニーが様子を見に来た。
チャールズの言葉を信じないケニーは洗面所に入っていき・・・。

☆怖いから逃げ出したいのだけれど、おしっこがしたい子供の話。(違うって?

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2008/08/16 (Sat) 『別冊図書館戦争 1』 有川 浩

別冊図書館戦争 1 (1)別冊図書館戦争 1 (1)
(2008/04)
有川 浩

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図書館が内包している危険。
それは現実世界でも垣間見える利用者の危機意識の低さである。
しかしそんなことも吹っ飛ばす激甘仕様。
郁の乙女な戸惑いもさることながら、堂上がすっかり恋する男子になってしまっていて、、、
いや、でもこんな男おらんやろ。
少女マンガに出てくるキャラやん。
恋ってこんなに人をおバカにするものなのですか。合掌。

.ア行の作家 有川浩 | trackback(0) | comment(0) |


2008/08/16 (Sat) 『ラジ&ピース』 絲山 秋子

ラジ&ピースラジ&ピース
(2008/07/31)
絲山 秋子

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野枝は自分の容姿に過剰なコンプレックスを持っている。
そのこと自体が過剰な自己愛の表れではないか、と思ったりもする。
たったひとり付き合った男とのことを今でも想起することがある。
東京に生まれながら、あえて地方の放送局を選び、ラジオのパーソナリティをやっている。
仙台から群馬に越してきた野枝は、相変わらず新しい会社になじまない。
スタジオ内でなら心地よく流れ出てくる偽りの言葉たち。
人を受け入れない自分はからっぽの冷蔵庫によく似ている。
何を詰め込んでも、やがて腐って捨てられていくだけ。

でもあるときふと気づく。
いつも電波に乗せて、声を飛ばしているつもりだったけれど、本当はみんなの声がここに集まり、この場を形成しているのだ、と。
エアステーションにリスナーたちが集い、ラジオネームに命が宿る。

野枝を変えていくのは人との出会いだ。
焼き鳥屋で出会った沢音という女医。
沢音は妙に人懐っこい。野枝の不機嫌をものともしない。
そんな沢音をいぶかしみながらもそれが不快ではなくなっていく。

そしてそれまではありえなかった、リスナーに個人的に会うことを自分に許してしまう。
気のいい妻帯者の男に案内されて、週末は観光に出かける。
土地や他者に対する興味のなかった野枝が変わりはじめる。

「うつくすま ふぐすま」
ナカノカナ。回文を名前に持つ女性が自分と同じ名の女性に出会う。
もう一人の中野さんはエビを研究している素敵な女性。
自転車に乗れない中野さんの自転車を買いに付き添ったり、乗る練習に付き合ったり、二人は仲良くなっていく。

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2008/08/07 (Thu) 『名もなき毒』宮部 みゆき

名もなき毒名もなき毒
(2006/08)
宮部 みゆき

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ちまたでは連続無差別毒殺事件が騒がれていたが、社内報を作る編集部に勤めている杉村には無縁な話。
彼は巨大コンツェルンの娘婿であり、結婚を境に義父が発行人となる編集部に職を得ていた。
病弱だが明るい妻がおり、かわいい娘がいる。
幸せだが、資産家の妻を持つゆえ、平凡とは言い切れない人生に迷いが生じることもあった。
そんな彼のアシスタントの原田いずみは職能にも人格にも問題があるトラブルメーカー。
ついに馘首を決定するが、原田は裁判沙汰にすると息巻いて事実無根の中傷を書き付けた手紙を会長宛に送りつけてきた。
対処を命じられた杉村は、彼女の身上調査を始め、調査の過程で私立探偵、北見一郎宅を訪れる。
そこで、同じく調査依頼に来ていた女子高生、美知香が昏倒する場面に出くわしたため、知己となるのだが、実は彼女の祖父こそが連続無差別毒殺事件の被害者だったのだ。

杉村は美知香を励ますために祖父の思い出を綴ることを勧める。
美知香はそれをホームページで公開することによって、快活さを取り戻していくのだが、彼女の母親に捜査の手が伸びていた。
果たして連続毒殺事件の犯人は一人なのか。あるいは便乗犯がいるのか。
そして原田の行為は徐々に常軌を逸していくのだった・・。

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2008/08/05 (Tue) 『狐火の家』 貴志祐介

狐火の家狐火の家
(2008/03)
貴志 祐介

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『硝子のハンマー』で登場した弁護士青砥純子と防犯ショップの店長榎本径(泥棒)のコンビが4つの密室事件に遭遇する。

「狐火の家」
ゴールデンウィーク明け。
西野真之が親戚宅から帰ると、そこには先に戻っていた娘の愛実の遺体があった。
警察の捜査が入るが、ひとつの窓を除いて鍵がかかっており、その窓の外には足あとはない。
室内には荒らされた形跡があり、巧みに隠されていた金のインゴットが盗まれていた。
いわば密室状態であったがために、第一発見者の西野に容疑がかかってしまう。
密室の謎を解くため、純子に依頼がくるのだが・・・。

☆この本の中で一番まともなミステリーかも。

「黒い牙」
死んだ友人のペットを引き取りたいと古溝という男が依頼に訪れた。
ペットとはいえ、故人の妻が相続しており、所有権の問題があるため難色を示す純子。
しかしその妻が給餌を怠るなどの虐待をしていると古溝は主張する。
そこを争点にして告発できるかもしれないと考えた純子は、古溝に急き立てられるようにして、その友人宅を訪れる。
当の夫人桑島美香はそのペットを嫌悪している様子なのだが、古溝に譲渡することは頑なに拒む。
そして実は桑島氏の死の原因はそのペットにあるというのだ・・・・。

☆ペットの正体は何か、と引っ張りたかったのだろうか。

「盤端の迷宮」
ホテルの一室で棋士の刺殺体が見つかった。
ドアには鍵もチェーンも掛かっている密室状態。
鴻野警部補に呼び出された榎本は、部屋にあった将棋盤に目を留める。

☆将棋が分からないのでなんとも・・・。

「犬のみぞ知る Dogs knows」
松本さやかの所属する劇団「土性骨」の座長が自宅で殺害された。
事件当夜、座長は劇団員の誰かと一緒にいたことが判明しており、なかでもアリバイのない人物が3名。
また庭に放し飼いにされていた獰猛な犬の吠え声が聞かれなかったことから、犬がなついている人物が疑わしい。
そのうちの一人飛鳥寺は座長の犬に嫌われていたし、力は犬好きだが犬アレルギーなので、犬に接触すれば傍目にも分かる発疹が出来る。
そこで残る一名のさやかは、純子に相談に来たのだった。

☆これはギャグですか。
 ユーモアミステリーは歓迎ですが、ギャグミステリーなんてよしたほうがいいです。

以下ネタバレの危険あり。

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