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『1Q84 BOOK 1』 村上 春樹

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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スポーツインストラクターという表の仕事の傍ら、法では裁ききれないDV男を暗殺する女、青豆。
傷跡が残らないよう鋭く尖らせたアイスピックで、急所を一撃する鮮やかな手口により、自然死を装う。
特別な関係にあった無二の親友をDVの被害で失った過去が、彼女を復讐に駆り立てている。
富豪の老女の依頼で、裏の仕事を遂行する彼女だが、そんな夜は無性に男が欲しくなる。
一人でバーに繰り出し、手ごろな男を物色しては、下品な言葉でナンパしてベッドに誘い込む。

数学の講師をしながら小説家を目指している天吾。
文学賞の下読みのバイトの際に、内容は魅力的なのに文章がめちゃくちゃな小説『空気さなぎ』に出会った。
ふかえりというそのアマチュア作家を埋もれさせるのは惜しいと思った天吾は、編集者・小松に最終選考まで残して欲しいと訴える。
ところが反対に、天吾の持つ確実な文章力で『空気さなぎ』を書き直してみないかと提案される。
しかしそれは明らかに詐欺行為だ。
きけばふかえりは17歳の大変な美少女だという。
容姿に優れた若き才能を発掘したとなれば、大きな金が動くことになる。
しかし『空気さなぎ』の魅力につかれた彼は、小松の提案を拒絶できないのだった。


青豆と天吾、二人を主人公にした章が交互に語られる。
まったく接点のない生活を送る二人だが、ともに幼少期の生育環境に問題があったことが語られ、やがてその関係性が見えてくる。
冗長な比喩とくどい言い回しが良くも悪くも村上春樹。
しかしテーマはずいぶん大衆的になったな、というのが一番の感想。
社会的な事件が大きく取り上げられている。
連合赤軍、オウム、エホバの証人、コミューン、幼児虐待、DV。
それらを盛り込んで物語られる1984年。
そこからパラレルワールドにスライドしてしまったその先が1Q84年というわけだ。

BOOK 1ではまだ地に足が着いている状態なので、さくさく読める。
不必要とも思える俗っぽい性描写には嫌悪感。
児童書ではないのだから、あからさまな描写があってもかまわないのだが、一昔前のAVってこんなやろうなぁと思わせる陳腐な会話にげんなりする。
意味のわからない文章も散見。
何度読み返しても文脈の流れがおかしい。
初版本だけのことで、あとは訂正されているのだろうか。
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