2008/07/23 (Wed) 『心臓に毛が生えている理由』 米原万里

心臓に毛が生えている理由心臓に毛が生えている理由
(2008/05)
米原 万里

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エッセイ集。暇つぶしにパラパラめくるにはよい本。

著者は作家であり、通訳としても活躍していたので、海外の小咄に詳しいようだ。
また私たちが普段見過ごしている”当たり前”のことにも目をつけるので面白い。

興味深かった話。
ある湖に浮かぶ島に猿の大群が放たれた。
アフリカ生まれの野生の猿もいれば動物園育ちもいる。
どの猿にとっても、そこは生まれ故郷から遠く離れた土地だった。
つまりそこの棲息する動植物には馴染みがなかった。
もちろん毒性のある植物も生えている。
しかし猿たちは、一匹たりとも有害な、あるいは食用に適さない動植物を口にはしなかったそうだ。
人間が既に失ってしまった能力である。


日本では給食や社員食堂、、病院、老人施設、どこに行っても食器に陶磁器を使っていない。
著者は子供の頃をチェコスロバキアで過ごしたが、金属製の食器を使っているのは、軍隊や監獄くらいだった。
機内食でもビジネスクラスやファーストクラスになると、陶磁器を使う。
プラスチックの食器ではどんな料理でも餌に成り下がる。
便利さだけを追求した味気なさが日本にはあるのだろう。

そうそう。
ヤギは悪魔の化身なのに、羊は神の迷える子羊なんて差別されるのはなぜだろう?
どっちも似たようなものなのにね。

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