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![]() | 悪人 (2007/04/06) 吉田 修一 商品詳細を見る |




福岡市と佐賀市を結ぶ263号線は南北に背振山地の三瀬峠を跨いでいる。昼間でも鬱蒼とした樹々が左右から車道を覆って薄気味が悪い上、霊的な噂話が絶えないその峠で事件は起こった。福岡市内に暮らす保険外交員の石橋佳乃が長崎市郊外に住む土木作業員の清水祐一によって*絞殺されたのだ。
佳乃は短大卒業後、久留米市内の実家を出て会社借り上げのアパートに暮らしていた。バーで一度ナンパされただけの金持ちの大学生、増尾圭吾とさも付き合っているかのように友人の前では装っていたが、実際には恋人はおらず、出会い系サイトで知り合った男性と肉体関係を持っては金をせびっていた。事件当夜、佳乃は増尾と会うような口ぶりで友人と別れ、祐一との待ち合わせ場所に向かう。そして翌日、崖の下から遺体となって発見されることになる。なぜか増尾も姿を消しており、捜査はあらぬ方向に向かう。
清水祐一は幼い頃に母に置き去りにされた経験があり、今では祖父母の養子となって暮らしている。無口で人付き合いが少ないが、車を趣味として、数少ない友人に誘われれば出かけていき、祖父母に頼まれれば病院への付き添いも嫌がらない。風俗嬢とでも真剣に付き合おうとし、出会い系で知り合った佳乃に金をせびられてもなお、逢瀬を求める。事件を起こした後、出会い系サイトで光代という女性と知り合ったことによって、彼の運命は大きく動く。
佐賀市郊外の紳士服量販店に勤める馬込光代は、30歳を目前として一人きりであることの寂しさにせかされるように、遊び半分で覗いた出会い系で知り合った祐一にメールを送ってしまう。互いに求められることを必要としていた二人は、必然のように惹かれあい、当てのない逃亡へと駆り出される。
大事な娘を失っただけでなく、その生活が娼婦のようなものだった事実を知らされ、怒りと悲しみとで狂わんばかりの佳乃の父親。頼りにしていた大人しい孫が人を殺めてしまった事実を突きつけられた母親代わりの祖母。事件の直前に佳乃に手酷い仕打ちをしながら、それがきっかけになったとは露ほども考えつかない増尾。離れたくないからと祐一に逃亡を促した光代。そしてだれも傷つけたくない祐一が漏らした言葉。
「……でもさ、どっちも被害者にはなれんたい」
悪人とは一体だれのことだろう?
いやはや、まるごと九州弁たい。
なじみがあるから逆に不思議っちゃんね〜。本州もんにちゃんと通じるっちゃろか。
あらすじだけだと、なんかいかにもワイドショーに取り上げられそうなしょうもない話やけど(グロテスクに似てるかな)読むべきなのはやっぱ佳乃の父ちゃんかな。
虚栄心にまみれた女性として描かれている佳乃。その彼女を心底大事に思う両親がいる。そんな人の悲しみを嘲笑う増尾。そして増尾に同調して笑う若者。佳乃を誹謗する手紙をわざわざ送りつけてくる人々。世の中は悪意に塗れとる。人のことを真剣に考えてたんは誰なん?何かを真剣に求めてたのは誰なん?
なんかそういうお話。面白かった。
でもちくわエピソードはいらんやったと思うで。
※著書から引用して絞殺と書いたけど、正しくは扼殺です。
なじみがあるから逆に不思議っちゃんね〜。本州もんにちゃんと通じるっちゃろか。
あらすじだけだと、なんかいかにもワイドショーに取り上げられそうなしょうもない話やけど(グロテスクに似てるかな)読むべきなのはやっぱ佳乃の父ちゃんかな。
虚栄心にまみれた女性として描かれている佳乃。その彼女を心底大事に思う両親がいる。そんな人の悲しみを嘲笑う増尾。そして増尾に同調して笑う若者。佳乃を誹謗する手紙をわざわざ送りつけてくる人々。世の中は悪意に塗れとる。人のことを真剣に考えてたんは誰なん?何かを真剣に求めてたのは誰なん?
なんかそういうお話。面白かった。
でもちくわエピソードはいらんやったと思うで。
※著書から引用して絞殺と書いたけど、正しくは扼殺です。
2008.10.31 ▲
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